ジャムセッションで凹まないための4か条
フロントプレーヤー編


 ジャムセッションの参加ビギナーのために、セッションでいかにすれば凹まずに済むかという4ヶ条です。もちろん、セッションで凹んだ経験がある方などで、何回か凹んだ方がいいんだとか、それをエネルギーにしてまた練習に励めばいいんだとか、いろいろな意見はあるでしょう。しかし、人間というのは人それぞれで凹んだ後それをばねにがんばって練習して何度も挑戦していける人もいれば、初めて参加したセッションで凹んでしまい、それがトラウマとなって次へのステップにいけずに気持ちが冷めていってしまう人もいるかも知れません。第一、だれだって、お金を取られて、セッションに参加して凹んでしまい。落ち込んだ気持ちで家に帰るより、自分なりに気持ちよく演奏して帰った方が何倍もお得なわけです。そして「また参加しよう。」「こんどはもっといい演奏をしよう」と常に前向きな気持ちである方がミュージシャンとしてどれだけ精神衛生上の健康を得るか計りしれないわけです。
 そこで今回ジャムセッション参加の心得として重要な4ヶ条を取り上げましたがこの4ヶ条を実践すればあなたは初めて参加したセッションで絶対凹んだりしないで気持ちよく演奏してお店から出てこれるのです。尚、具体的なジャムセッションの進行などについては当サイトのこの記事をご覧ください。

第1条 曲選は無難に

 無難な選曲、スタンダードでしかもジャムセッションでよく取り上げられる曲を自分のレパートリーとして5〜6曲くらいは普段から練習して比較的得意な曲として押さえておきたいものです。出来れば完全に暗譜しておくとよいでしょう。キーもリズムも普通は決まっているのでリズム隊もすぐに出来ます。リズム隊のピアノとベースはフロントが何をやりたいかわからないために曲集(特にスタンダードジャズハンドブック,伊藤伸吾著)をもって来ていますので譜面などは用意する必要もないと思ってよいでしょう。もし、自分が暗譜していないのであれんば自分用のキーの楽譜だけ用意して、それを見ながら演奏していいわけです。ジャムセッションに行くとおそらく80パーセントの管楽器奏者は暗譜している曲を何も見ないで演奏しているかも知れません。確かに楽譜を見ないで演奏する方がかっこよく見えるのですが、セッション初心者が無理してまねをしなくとも十分許されると考えていいでしょう。特に普段マイナスワンなどを使って楽譜を見ながらアドリブの練習をしている方はセッションのときも同じようにした方が確実です。

第2条 出だしが肝心

 さていよいよセッションが始まるのですが、曲を決めたらリズム隊にしっかり伝えて確認をとりましょう。そしてテンポを伝えましょう。キーも確認しましょう。これらのことは黙っていてもリズム隊から問い合わせがくることもあります。またパーカーなどのバップ曲の場合でよくジャムセッションでやる、コンファメーションやビリーズバウンスなどは決まっているのでひたすらフロントのカウントを待っていたりします。コンファーメーションはジャッキーマクリーンが作った定番のイントロがあるので、ピアニストがいきなりそれを始める場合もあるかも知れません。そのイントロを知らなかったら、あらかじめ「カウントで」と伝えておきましょう。
 さて、カウントですが右手パッチンを2拍4拍にいれて「1、2、1234っ」とやりたいところですが管楽器の場合マウスピースに口をつけてるので「1、2、1んんんっ」とか「1、2 1っ...」とかになりますが、ここで肝心なのはこのカウントがちょっとスイングしてるとリズム隊も入りやすくなります。もちろん、そんなに意識する必要はないのですが「カウントからもう歌が始まってる」と言う程度に考えておくのも大切です。普段バンドでの練習をしてないかたはこのカウントの練習をちょっとしておくだけでずいぶん違ってきます。

第3条 つわものにビビるな

自分が呼ばれるのを待っている間、どうしたって緊張しますが、さらに追い討ちをかけるようにセッションになれた凄腕のつわものが先に呼ばれることがあるかも知れません。とにかく研究し尽くされたバップフレーズを次から次えと繰り出してきて、しかもフレーズが出てくるたびにまるでそのフレーズが折り重なって感性が上へ上へと上昇気流のように舞い上がって行き、ついにはフラジオ域での華麗なフレージングへとつながり、聞いている人を圧倒させてしまったとします。しかも、こういうつわものが呼ばれたときに限ってすぐ後に自分が呼ばれてしまう(マーフィーの法則)。こういう場合動揺するのが普通でしょう。とってもやりたくない気分になるかも知れません。なんだか演奏する前に凹んでしまいそうです。しかし、ここはセッションの場です。気持ちをすぐに切り替えましょう。特に先ほどのつわものの演奏に自分が弾き釣りこまれないようにすることが慣用です。「自分も先ほどの華麗なフラジオ域を...」なんて思ってはいけません。普段3回に1回くらいしか当たらないフラジオを無理して吹くのは失敗する確立99パーセントです。ではどうやって気持ちを切り替えるかというと、さっきのつわものの演奏はここで終わったわけです。そして今から自分の演奏が始まるのです。そこでいつもの自分以上を期待する必要はないのです。マイナスワンで練習しているときのフレーズ以上のものが出てくるわけないのです。落ち着いて自分が出来る最良を目指しましょう。とにかくカウントを出す前に冷静になりましょう。(もっともつわものが3〜4人続いたあと自分が呼ばれと逃げ出したくなりますが、案外人の演奏は良く聞こえるので、冷静に見ておきましょう)

第4条 自分のソロが終わっても気を抜くな

 テーマをやって、自分のソロが終わると、ピアノにソロが渡されます。なんとなくホット一息つきますが、これは本当に一息にとどめましょう。そして次にくるベースソロの出だしをまず見誤らないようにします。そしてベースソロは集中して聞きます。今曲の何処をやっているのか追っかけていきましょう。そしてベースソロが終わる時、ベーシストによってはフロントの方を見るかも知れません。あるいは最後の2小節で4ビートを刻むかも知れません。いずれにしてもこれは合図で次の4バースに入るタイミングを示してくれます。もっともリズム隊がなれている場合、そこでフロントが気がつかなくてもすぐに4バースに入ってくれるかも知れません。こういう時はちょっと遅れてフロントが入ってもおかしくはありません。そしてテーマにもどり、またここで少しホットしますが、すぐにエンディングのことを考えておきましょう。終わりよければすべてよしと言うように締めはきちっとしたいものです。



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