超初心者救済ジャズ理論入門(1)
 今回は、超初心者救済ということで、いままでジャズの理論からはちょっと逃げていた、あるいはこれからジャズ理論を勉強しようとしているかたのための記事です。ただし、通常の理論の説明などについては従来からいろいろな本ががでまわっていますし、Web上でもそれらのないようについて把握できるサイトもたくさんあります。ですからなるべくそれらの内容は重複するので避けていこうと思います。むしろ、ジャズ理論書を読んでいてわかりにくいと思われるところをピックアップして解説していこうと言う試みです。つまりジャズ理論書を読んで、それを理解し実践するための基礎体力(知識)作りをめざしています。なお今回の内容はnetJazzTimeの放送でやったコンテンツをまとめています。
 インターバルがわからないと理論が身につかない。!
 まずはインターバルの概念です。なにはともあれこの概念を理解しないといつまでたっても理論書を何冊読んでも理論が身に使かないのではないかと思います。ジャズ理論では音階より重要かも知れません。
 ではインターバル(度数)とはなんでしょうか。これは音と音の間隔のことなのです。たとえばC(ド)とD(レ)の間は全音、E(ミ)とF(ファ)の間は半音といいますがこれがインターバル(度数)なのです。インターバルの最小単位は半音です。そして、その半音の整数倍だけインターバルがあります。ただし、12倍されると同じ音名になりますのでつまり1オクターブになるわけです。さて、ここですべてのインターバルについてEX1に示しました。
        EX1 インターバル(度数)音と音の間隔

  
ここで、インターバルについて整理します。
  インターバル  記号で  ドに対する音程  Cに対する音名  半音何個分か
     
1度                 ド      
C             0
    短2度      m2nd       レ♭    
D♭            1
     
 2度       2nd      
 レ      D             2
    短3度      m3rd       ミ♭
     E♭            3
      
3度       3rd       
ミ        E             4
    
  4度       4th       
ファ      F           
  5
    増4度(減5度) +4th(♭5th) 
ファ#     F#             6
   
  5度       5th        ソ      
G             7
    増5度      +5th       ソ#
      G#             8
      6度       6th        ラ      
A             9
    短7度       ♭7(7)     シ♭    
 B♭           10
      7度       Maj7th      シ      
B             11
 インターバルは相対的な音と音の間隔について表現しています。したがって、例えばGはCに対して半音7個分ですから5度ですがDにたいしては半音5個分ですので4度になります。このように音と音との関係を数字で扱うことによって音階が違っても、音名が違っても、いつも同じ基準で音と音の間の距離を考えることができます。すなわちハーモニーをあらわすことになり、コードを表現することができ、またこのインターバルの集合体であるスケールを表現することも可能になります。
  音階のローマ数字表示度数表示
 良く音階をローマ数字をつかって表示されることもあります。これをコードのルート表示と使われることもありますし、相対的な音階表示としてもつかわれることがあります。
メジャースケールの音階 I II  III  IV  V
 VI  VII 
12音すべての音階   I  -II  II -III
 III  IV  V  +V  VI  -VII  VII
コードを表示する例   IIm7  Imaj  →KeyがCのとき Dm7
 Cmaj 
                       
→KeyがGのとき  Am7  Gmaj
  テンションノートのインターバル(度数) 注:この部分は今理解できなくともかまいません。
 さて、ジャズで使うコードにはほとんどの場合テンションノートが使われています。このテンションノートのインターバルは1オクターブ以上はなれているわけですが、実際に扱う場合、ほとんどは1オクーターブ以内のEX1のインターバルに置き換えられます。変換方として下にあるように7度を引くことでできます。
  9th(9度)→オクターブ下にする(7引く)→2度
  13th(13度)→オクターブ下にする(7引く)→6度
  ♭9th(短9度)→オクターブ下にする(7引く)→短2度
コードの成り立ち
 コードは実はインターバルの組み合わせでできています。ジャズ理論ではドミソとかファラドとか音階で覚えるよりも、度数で覚える方がはるかに機能的です。また度数から実際の音にする場合ドレミを使うよりはC,D,Eなどの音名で覚える方があとあとわかりやすくなります。もっとも実際ジャズプレーヤは「そこはCで」とか「B♭でたのみます」とか日常的に音名をつかいます。この辺はクラシックなどで移動ドをつかっていた人には違和感があるかも知れません。しかしコードを頼りに演奏をするジャズの場合はそれが共通言語だと思った方がいいと思います。
基本コード
メジャーコード : 1度 3度 5度
たとえばC:     C E G です。
マイナーコード: 1度 短3度 5度
たとえばCm:   C E♭ G です。
ドミナント7th: 1度 3度 5度 短7度
たとえばC7:   C  E  G   B♭です。
 
変形コード(オルタード) 注:この部分は今理解できなくともかまいません。
オルタードマイナーコード: 
1度 短3度 減5度(5度を半音下げる)
たとえばCm7♭5 : C E♭ G♭ です。
オルタードドミナント7thコード: 
1度 3度 5度(変化) 短7度 短9度(増9度)
たとえばC7♭9 : C E G(♭、#) B♭ D♭(D#) です。
いろいろなコードを実際に聞いてみたい場合は
netJazzTimeのイヤートレーニングでMIDIで聞けます。
度数→音名変換表はなんちゃってピアニスト(前)にあります。
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